茨城県水戸市保健センターは今月から、市立常磐小学校(同市西原一)と、市立浜田小学校(同浜田一)の空き教室を使って、中高年を対象とした授業を開始した。「エンジョイスクール」と名付けられた授業の内容は体操、読み書き計算、レクリエーションなどを主なプログラムとし、週一回行われる。小学校で授業を受けた昔を思い出すことで元気になってもらい、健康を維持してもらおうというユニークな試みだ。 (高橋知子)
毎週火曜日、午前十時から一時間半、常磐小の空き教室には約三十人の大人の「児童」が集う。同センター職員が出席を取ると、「ハイッ」。元気良く手を挙げて男性が返事しました。気分は小学生のよう。
一時間目は、リハビリ体操と転倒予防体操。水戸市のシルバーリハビリ体操指導士の指示に従って、いすに座って実践。教室のあちこちから、歓声と笑いが起こります。
読み書きは、自分の好きな本や新聞を持参し、書き写しや朗読をします。レクリエーションでは、小学生との歌や劇などでの交流が計画されているといいます。
各地域センターでも体操教室は行われているが、保健センターではより狭い地域で、中高年が歩いて通える範囲に拠点をつくりたいとの考えから設置が決まりました。そこで同センターは、少子化の影響により小学校に空き教室が多数あることに着目。小学校区を一単位とし、今回のようなミニ教室を市内に広げていきたいとしています。
参加者の市原毅さん(80)は「小学校に来ると童心に帰れるね。空き教室が市内にはいっぱいあるし、有効活用するのは良いことだと思う」と、はつらつとした笑顔を見せました。
保健センターでは「教室の利用は、介護予防の観点から試験的に始めた。一定の成果が挙がれば、順次教室を増やしていきたい」と話しています。エンジョイスクールは来年三月末まで行われるそうです。