平均寿命が男女とも全国2位を誇る本県(福井県)の健康長寿をさらに推進しようと、県は今秋から「笑い」の視点を取り入れた、ユニークな事業を展開します。笑いの効能を研究している大学教授の講演や大学の落語研究会の実践発表などを通じ、笑いと健康の関係を学習し、ユーモアに触れる機会を増やすことで県民の心身両面の健康づくりに役立てるようです。
笑いの効能については、がんに対する抵抗力の指標となるナチュラルキラー細胞(NK)の活性度が上昇するとされ、NKの低かった人が笑った後で正常範囲にアップしたとの研究報告があります。血糖値が低下し、糖尿病に効果があるともいわれているようです。
「笑いと健康推進事業」と銘打ち、両者の関係を研究している大学教授や医師らが、その効能やメカニズムについての講演は、市町保健推進員、看護師、介護士らが効果を知ることで普段の活動に生かしてもらうためでした。
また、関西の大学の落語研究会などを実演者として迎え、県民を対象にした健康づくりの会や医療の研修会に派遣します。県内の各健康福祉センターには、日常的に笑いに親しむことができるよう落語のビデオやユーモア集などの”教材”を備えたコーナーを常設し、市民に貸し出すといった展開を始めるとのことでした。
10月に放送がスタートするNHKの連続テレビ小説は、本県(福井県)出身の女性が落語家を目指すストーリー。県健康増進課の緒方正嗣参事は「時期が重なったことで笑いへの理解と関心が高まる効果も期待している」と話していたそうです。